実験原理解説

【3分でわかる】細胞培養時のCO2濃度はなぜ5%なのか【理由を解説】

・細胞培養の時になぜCO2濃度を5%にするんだろう?

・CO2濃度を5%にしないとどうなるの?

こんにちは。Hiro(@THiro70217938)です。

研究歴12年、細胞培養歴9年で今は大学で助教をしています。

この記事では細胞培養でのCO2濃度が5%である理由を説明します。

結論を先に言っておくと「培地のpHを中性に保つため」です。

以下で原理を含めて解説していきます。

CO2濃度が5%である理由

培養細胞は>CO2インキュベーターの中で飼う必要があります。
CO2インキュベーター内はCO2濃度が5%に保たれていますが、なぜCO2濃度を5%にする必要があるのでしょうか?

この理由は「培地のpHを生理的な条件である7.2~7.4に保つため」です。

CO2濃度が5%だとなぜpHが保たれるのか

培地のpHが7.2~7.4に保たれるカギは、培地に含まれる「炭酸水素ナトリウム(NaHCO3」にあります。

炭酸水素ナトリウムは5%CO2条件下では緩衝能をもつので培地のpHが保たれます(下図参照)。

培地の色によるpHの確認方法

それでは培地のpHが適切に保たれているかはどうやって確認すればいいのでしょうか。

pHの確認は培地の色を見ることで判断することができます。

培地が適切なpH(7.2~7.4)の時はをしています。

しかしCO2インキュベーターの不調などが原因でCO2濃度が低くなってしまうと、培地のpHが高くなってしまい(pH-8.0付近)培地は赤紫色に変化します。

pHが高い状態は細胞にとって良くない状態なので、早めに対応しましょう。

ちなみに、pHによって培地の色が変わるのは培地にフェノールレッドが含まれているからです。

フェノールレッドはpHによって色が変化する性質を持っています。

フェノールレッドに関して詳しく知りたい人は

なぜ培地にフェノールレッドを入れるのか【培地が赤い理由】

を読んでみてください。

CO2インキュベーターが使えないときの対処法

「CO2インキュベーターが使えないとき」、「CO2インキュベーター外で実験をするとき」や「さらにpHを安定させたいとき」にはHEPESという緩衝剤がよく使われます。

HEPESはpH=6.8~8.2の範囲で使われる緩衝剤です。

10~25 mMの濃度で使われることが多いですが、濃度が高いと細胞腫によっては毒性を示すことがあるので、使用する細胞に使うことができるのかを事前に調べてみてください。

まとめ

以上をまとめます。

まとめ

・CO2濃度は培地のpHを7.2~7.4に保つのに重要である

・5%CO2条件下ではNaHCO3の緩衝作用でpHが保たれる

・培地の色が赤紫色になっていたらpHが高くなっている

・HEPESを使うことでもpHを保つことができる

先ずは培地の色をチェックして、pHが正常に保たれているか確認する習慣をつけてみてください。

細胞培養の基礎知識全般を抑えたい人は「【細胞培養初心者向け】細胞培養の基礎知識を解説!」をご覧ください。

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