- FBSってなに?
- FBSって何のために使ってるの?
- 非働化ってなに?理由や方法を知りたい!
この記事では、「FBSってなに?」「FBSってなぜ必要なの?」という基礎知識と「非働化を行う理由・具体的な方法」を解説します。
どれも細胞培養初心者が始めに持つ疑問だと思うので、ぜひしっかり勉強してくださいね。
FBSとは
FBSとはFetal Bovine Serumの略で、日本語では「ウシ胎児血清」のことです。
つまりウシの赤ちゃんから採取した血清です。
血清とは血液を凝固させたあとに遠心分離を行い得られる液体成分を含んだ層です。
- 血清…液体成分を含んだ層
- 血餅…細胞と凝固因子を含んだ層

FBSの役割
FBSは「細胞を増殖させるのに必要不可欠な成分」です。
細胞を培養するときにはメディウムを使います。メディウムにはいろいろな栄養素が入っていますが、細胞を増殖させることはできません。
実はメディウムに「FBSを入れないと細胞は全く増殖しない」のです。
そのため細胞培養にはFBSが必須なのです。
FBSの成分
FBSには主に以下の物質など「1000を超える成分」が含まれています。
- 細胞増殖因子
- ホルモン
- 脂質
- 炭水化物
これらの成分が働いて細胞が増殖します。
これだけ多くの成分が含まれているので、FBS中のどの成分が大事なのかはわかっていません。
なので代替品を作るのが難しく、細胞培養ではほとんどの人がFBSを使っているのです。
FBSの非働化
非働化とは血清を加熱し血清中の補体を不活性化させる操作のことをさします。
ここでは非働化に関する以下の項目について簡単に説明します。
- 非働化を行う理由
- 非働化の具体的な方法
- 本当に非働化を行うべきか
非働化を行う理由
FBSには「補体」という免疫機能に重要な成分がはいっています。
補体は細胞を傷害したり、免疫系の細胞を活性化させる役割を持っています。
そのためFBSをそのまま使用してしまうと、免疫系の培養細胞に悪影響を与えてしまう可能性があります。
つまり非働化は「補体による細胞への悪影響を抑えるため」に行うのです。
非働化の具体的な方法
FBSの非働化は以下の通りに行います。
- FBSを冷蔵庫で1晩 or 室温で数時間放置して解凍する
*室温で解凍させる場合は解凍後なるべく素早く次の作業にうつること - 水浴(恒温槽)を「56℃」に温める
- 56℃になったのを確認し、解凍済みのFBSを30分温める
*しっかりFBS全体を水浴にひたすこと - 適当にtubeに分注し冷凍保存(-20℃)する
*私は25 mLずつ分注しています
研究室によって微妙に方法が変わりますが、上記の方法で作業を行えば特に問題はありません。
本当に非働化を行うべきか
一般的にはFBSの非働化が行われていますが、行う必要がないという意見も多く見られます。
非働化を行う理由
- 補体による細胞傷害を防ぐため
- 補体による免疫系の細胞の活性化を防ぐため
非働化を行わない理由
- FBS中の増殖因子が保持されて、細胞の増殖がよくなるため
- 免疫系の細胞以外にはあまり悪影響を及ぼさないため
「どんな種類の細胞を扱うのか」、「どのような実験を行うのか」によってFBSの非働化を行うかの判断が変わるので、研究内容に合わせて非働化を行うか判断してください。
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