論文(一般の方向け)

乳酸菌が認知症に効くかも ~認知症の人は乳酸が減少している~

最近、腸内細菌の話題をよく耳にしますね。以前の研究で腸内細菌と認知症にも関係があることが知られていたのですが、今回、国立長寿医療センターの研究で、認知症患者では糞便中の乳酸の値が低くなることが分かりました(引用1)。

ほとんど上で書いたことが内容そのままですが、この研究では国立長寿医療センターのもの忘れ外来を受信した患者さんを対象にしていて、患者さんの検査をするのと同時に、検便をサンプルとし検便中の腸内細菌や腸内細菌がつくっている物質の解析を行いました。

その結果、認知症の患者さんでは検便中の乳酸の量が少なくアンモニアの量が多いということが分かりました。この、二つの物質は腸内細菌が作り出したものになります。つまりこの研究をもとに、乳酸を作る菌、つまり乳酸菌が腸内に多く存在すると認知症を改善できるかもしれないということが考えられます。

実際に森永乳業の研究で、アルツハイマー病のマウスに1日10億個のビフィズス菌(乳酸菌を作る菌)を摂取させたところ、記憶力が良くなるということが分かっています(引用2)。この研究結果からも、乳酸菌やビフィズス菌を摂取しておくと認知機能の低下を抑えられるかもしれませんね。

また、もう一つこの研究のいいところを書いておくと最初に紹介した国立長寿医療センターの研究は、日本人を調査した研究になります。外国の人を調査した研究では日本人は人種や体質が違うため当てはまらないこともあります。しかし今回人種、体質を大きく気にしなくていいので、私たち日本人にとっては嬉しい研究ですね。

引用1

www.nature.com

引用2

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov