役立ちコラム

自家培養表皮移植について調べてみた ~自家培養表皮移植を解説します~

この記事では、自家培養表皮移植について、簡単にどんな治療なのかや方法、メリットを説明していきます。

とあるニュースを見ていたら、自家培養表皮移植なる手法により火傷の治療がされていたがきっかけで興味を持ち、調べたのでまとめてみました。

自家培養表皮移植とは

小さな傷がすぐにふさがるように、皮膚は高い再生能力を持っています。しかし、火傷などで皮膚が広範囲に損傷してしまうと、再生が間に合わなくなります。ここで使われる最新の治療方法の一つが自家培養表皮移植です。

方法

自家培養表皮移植の方法は名前の通りとなっています。

自家」とは自分のという意味で、「培養」とは体外で細胞を育てて増やすことを意味します。「表皮」とは皮膚の一番外側の領域をさします。

つまり、手順としては以下のようになっています。

  1. 自分の正常な部分の皮膚から表皮に存在する表皮細胞を採取する
  2. 表皮細胞を体外で培養して十分な量になるまで増やす
  3. 皮膚に似せるために、細胞をシート状になるように培養する
  4. シート状にした細胞を損傷した部分に移植する
  5. 移植した細胞によって皮膚の形態や機能が回復する

このようにして、治療が行われていきます。

こちらのサイトに分かりやすい図が載っているので参考にしてください。

メリット

自家培養表皮移植のメリットは拒絶反応が起きないことです。

皮膚の移植には多くは動物や他人の皮膚を使います。もちろんこれは自分の皮膚ではないので、異物だと認識され免疫反応によって拒絶反応を起こしてしまいます。

一方、自家培養表皮移植は自分の細胞を使うため、免疫によって攻撃を受けません。つまり安定して移植した表皮を維持することができるのです。

少し脱線しますが、iPS細胞がすごいといわれている一つの理由はこれと同じです。iPS細胞はすべての細胞・臓器になる能力を持っている細胞です。将来的にiPS細胞からいろいろな臓器を作る方法が確立されれば、自分のiPS細胞からすべての臓器を作り、自家移植することが可能になると予想されます。

実用化・適応について

自家培養表皮はJ-TECという会社によって「ジェイス」という名前で、2007年に重症熱傷の患者を対象に日本で初めての再生医療等製品として国から承認されました。

2009年に保険が適用されています。

また7年にわたる市販後の全例使用成績調査を経て、2016年には先天性巨大色素性母斑、2018年には表皮水泡症に適応が拡大されています。

その他再生医療等製品

最後に

最近再生医療が活発になってきましたが、自家培養表皮移植が日本で初めての再生医療等製品であったことを初めて知りました。

今後も様々な治療法が発達し、よりよい未来がおとずれることを期待したいと思います。

参考サイト

J-TEC 再生医療製品事業

自家培養表皮を使った再生医療に一石 ~医工連携による産業化に照準合わせる~

Pmda 再生医療等製品(添付文書)