免疫染色

【免疫染色とは】免疫染色を行う目的や免疫染色で出来ることを解説します

・免疫染色ってなんだろう?

・免疫染色をするとどんなことがわかるの?

・免疫染色で出来ることの具体例を知りたい

こんにちは。大学で助教をしているHiro(@THiro70217938)といいます。

免疫染色をするんだけど「免疫染色についてなにも知らない」、「何のために免疫染色をするんだろう」と思っている人に向けて「免疫染色とはなにか」や「免疫染色を行う目的を解説していきます。

免疫染色についてポイントを簡単にまとめると

・免疫染色は「抗体を使って目的の物質を染色する手法
*主に目的のタンパク質を染色する

・免疫染色を行うことで
1.組織のどこに目的のタンパク質や細胞がいるのか
2.目的のタンパク質が細胞内のどこに存在するのか
3.細胞がどんな状態なのか
を知ることができます

以下で詳しく説明をしていきます。
目次もあるので、興味のある内容だけでも参考にしてみてください。

免疫染色とは

免疫染色とは抗体を使って目的とする物質(主にはタンパク質)を染色する実験手法です。

タンパク質は基本的には見ることができないので、免疫染色を利用して可視化するのです。

抗体は特異的に目的の物質に結合するタンパク質なので、観察したいタンパク質に対する抗体を使うことで、目的のタンパク質を抗体で標識することができます。

抗体で標識するだけでは観察できないので、抗体に蛍光物質をあらかじめ結合させておき抗体を可視化します。蛍光物質の他にも酵素を結合させておき、酵素反応を利用し発色させる方法もあります。

こうすることで、目的のタンパク質に抗体が結合し、抗体に付けておいた蛍光物質を観察することで目的のタンパク質を可視化することができます(下図参照)。

免疫染色の説明

免疫染色で出来ること

免疫染色では検体として「組織(臓器)」と「細胞」を使うときの2つに分けたときに、それぞれ以下に示すことを調べることができます。

免疫染色で出来ること

~組織を使う場合~
1.組織のどこに目的のタンパク質があるかを調べる
2.組織のどこに目的の細胞がいるかを調べる

~細胞を使う場合~
1.細胞内のどこに目的のタンパク質があるかを調べる
2.細胞の様子や状態を調べる

組織を使う場合

組織のどこに目的のタンパク質があるかを調べる

これは書いている通りで、目的のタンパク質に結合する抗体を組織に処理することで、目的のタンパク質が染色されます。

免染染色の実験操作後に染色されている場所が目的のタンパク質が存在する場所なので、組織内のどこが染色されているかを観察することで、目的のタンパク質が組織内のどこに存在するかを明らかにすることができます。

組織のどこに目的の細胞がいるかを調べる

免疫染色を利用して特定のタンパク質を染色することで、興味のある細胞を染色することができます。

細胞は多くのタンパク質を持っているので、細胞が持っているタンパク質を染色すれば細胞自身が染色され、細胞を観察することができます。

組織を使った免疫染色でできること

ではどうすれば特定の細胞を染色することが出来るのでしょうか。

組織内にはいろいろな細胞が存在するので、適切なタンパク質を染色しなければ目的以外の細胞も染色されてしまいます。

答えは単純で「目的とする細胞だけが持っているタンパク質を染色」すればいいのです。

このような特定の細胞だけが持っているタンパク質のことを「マーカータンパク質」といいます。

例えばT細胞を観察したければ、T細胞だけが持つタンパク質(T細胞マーカータンパク質)であるCD3を免疫染色を利用して染色すればいいのです。

各細胞のマーカータンパク質は調べればすぐにわかるので、特定の細胞を観察したい場合は、先ずはマーカータンパク質を知らべてみてください

マーカータンパク質の説明 組織を使った免疫染色の例-T細胞の染色

細胞を使う場合

細胞内のどこに目的のタンパク質があるかを調べる

免疫染色を利用することで、対象とするタンパク質が細胞内のどこに存在するかを調べることができます。

「細胞内のどこに」というのは細胞内小器官(オルガネラ)のことを指しています。

代表的なオルガネラには「核」、「ミトコンドリア」、「小胞体」、「ゴルジ体」があります。

つまりは免疫染色によって目的のタンパク質がどのオルガネラに存在するを調べることができます。

免疫染色によるタンパク質の細胞内局在の解析

それぞれのオルガネラが細胞内でどのように見えるかはすでに調べられているので、目的のタンパク質を染色してどのように染色されるかを観察することで、目的のタンパク質がどのオルガネラに存在するかがわかります。

下図に具体例のイラストと実際の染色データを載せているので参考にしてください。

染色画像は、ミトコンドリア(左図)と核(右図)に存在するタンパク質を緑色に染色したものです。

免疫染色によるタンパク質の細胞内局在の解析例

細胞の様子や状態を調べる

さらに免疫染色により、細胞が「増殖しているのか」や「死んでいるのか」といった細胞の状態を調べることができます。

「増殖している細胞だけが持っているタンパク質」や「死んでいる細胞だけが持っているタンパク質」、いわゆる「増殖細胞マーカータンパク質」や「死細胞マーカータンパク質」を染色すればそれぞれの細胞を観察することができます。

免疫染色による細胞の状態の解析

まとめ

要点まとめ

・免疫染色とは抗体を使って特定の細胞を染色する方法

・免疫染色により
1.目的のタンパク質が組織内のどこに存在するのかがわかる
2.目的のタンパク質がどのオルガネラに存在するのかがわかる

・マーカータンパク質(特定の細胞だけが持っているタンパク質)を使うと
1.目的の細胞を染色することができる
2.細胞の状態を知ることができる

免疫染色は基本的かつ、汎用性が高くよく使われる実験です。

論文にもよく出てくるので今のうちにしっかり基本事項を抑えておきましょう。

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免疫染色の他にも、「PCR」や「細胞培養」、「RNA抽出」についても記事をまとめているのでチェックしてみてくださいね。

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