役立ちコラム

【生物・医学系】最新インパクトファクターランキング一覧【2021年6月発表】

2021年6月30日にCrarivateのJouranal Citation Reportsより、各ジャーナルのインパクトファクターImpact factor)が発表されました。

この記事では生物系のジャーナルのランキングを紹介します。

私が普段読んでいるジャーナルを中心に抜粋しているので、ランキングに含まれていないジャーナルも存在します。

加えてほしいジャーナル等がありましたら、コメントで教えてもらえると嬉しいです。

インパクトファクターとは

インパクトファクター(Impact Factor:IF)とは自然科学や社会科学のジャーナルが持つ影響力を測定する指標の一つです。

簡単に説明をすると、ジャーナルに掲載された論文が1年間に引用される回数の平均値です。

インパクトファクター:ジャーナルの論文が1年間に引用される回数の平均値

インパクトファクターは1975年から算出されていて、年に1回最新のインパクトファクターがJournal Citation Reportにて発表されます。

クラリベイト(Claricate)社のデータベースであるWeb of Science(Wos)に収録されたデータをもとに算出されていて、10,000を越えるジャーナルが対象となっています。

インパクトファクターは研究者の評価に使われることもありますが、インパクトファクターを指標とした評価には批判的な意見が多いことから注意が必要です。

以下の動画は非常に長いですが、インパクトファクターを日本語で説明している動画です。
参考にしてみてください。

インパクトファクターの計算方法

インパクトファクターは過去3年のデータを使って計算することができます。

X年のインパクトファクターを計算する場合は以下の通りとなります。

X年のインパクトファクター
  • A: 調べたいジャーナルに(X-2)年に掲載された論文数
  • B: 調べたいジャーナルに(X-1)年に掲載された論文数
  • C: 調べたいジャーナルに(X-2)年と(X-1年に)掲載された論文ぶんが、X年に引用された回数

X年のインパクトファクター = C/(A+B)

具体例として2017年のNatureのインパクトファクターを計算してみます。

2017年のNatureのインパクトファクター
  • Natureに2015年に掲載された論文数:902
  • Natureに2016年に掲載された論文数:880
  • Natureに2015年と2016年に掲載された論文の引用数:74090

2017年のNatureのインパクトファクター = 74090/(902+880) = 41.577

となり、2017年のNatureのインパクトファクターは41.577ということがわかります。

これはNatureに掲載された論文1つあたり、約42回引用されていることを示しています。

ただ、実際にはインパクトファクターは引用数が多い少数の論文によって大きな影響を受けるので、すべての論文がインパクトファクターと同数の引用を受けていることにはなりません。

生物系インパクトファクターランキング

生物系ジャーナルの2021年6月30日に発表された2020年のインパクトファクターのランキングです。

ジャーナル名が青字のものはクリックするとサイトに移動することができます。
(現在更新中です。少しお待ちください。)

ジャーナル名インパクトファクター(2020)
Nature Biotechnology54.908
Nature Medicine53.440
Nature49.962
Science47.728
Cell41.582
Nature Genetics38.330
Immunity31.745
Cancer Cell31.743
Circulation29.690
Nature Cell Biology28.824
Nature Methods28.547
Cell Metabolism27.287
Nature Immunology25.606
Nature Neuroscience24.884
Cell Stem Cell24.633
GUT23.059
Blood22.113
Cell Host & Microbe21.023
Molecular Cell17.970
Science Translational Medicine17.956
Nature Microbiology17.745
Science Immunology17.727
Neuron17.173
Nucleic Acids Research16.971
Autophagy16.016
Nature Plants15.793
Nature Communications14.919
Journal of Clinical Investigation14.808
Journal of Experimental Medicine14.307
Science Advances14.136
Nature Protocols13.491
Cancer Research12.701
Developmental Cell12.270
EMBO Molecular Medicine12.137
EMBO Journal11.598
PNAS11.205
American Journal of Human Genetics11.025
Current Biology10.834
Journal of Cell Biology10.539
Cell Systems10.304
Oncogene9.867
Cell Reports9.423
Aging Cell9.304
EMBO Reports8.807
Current Opinion in Cell Biology8.382
JCI Insight8.315
Science Signaling8.192
EBioMedicine8.143
eLife8.140
PLOS Biology8.029
Stem Cell Reports7.765
Development6.868
Cell Biology and Toxicology6.691
Journal of Cellular Physiology6.384
Communications Biology6.268
Journal of Molecular Cell Biology6.216
Journal of Neuroscience6.167
Journal of Lipid Research5.922
iScience5.458
Journal of Immunology5.422
Journal of Biological Chemistry (JBC)5.157
Endocrinology4.736
European Journal of Cell biology4.492
Scientific Reports4.379
Molecular and Cellular Biology4.272
BMC Cell Biology4.241
FEBS letters4.124
eNeuro4.081
BBRC3.575
DNA and Cell Biology3.311
PLOS One3.240
BMC Molecular and Cell Biology2.033

 

世界五大医学雑誌インパクトファクター

医学系のジャーナルのうち、世界五大医学雑誌と呼ばれる特に有名なジャーナルのインパクトファクターを紹介します。

ジャーナル名インパクトファクター(2020)
New England Journal of Medicine91.245
Lancet79.321
JAMA56.272
Annals of Internal Medicine25.391
British Medical Journal17.215

著名人によるインパクトファクターへのコメント

著名な研究者のインパクトファクターに関するコメントを紹介します。

インパクトファクターに関しては、批判な意見がかなり多いようです。

大隅良典先生

ノーベル生理学・医学賞受賞の大隅氏「視野の狭い研究者ほど客観指標に依存する」より引用

若手は論文の数や、雑誌のインパクトファクターで研究テーマを選ぶようになってしまった。自分の好奇心ではなく、次のポジションを確保するための研究だ。自分の軸を持てないと研究者が客観指標に依存することになる。だが論文数などで新しい研究を評価できる訳ではない。

例えば一流とされる科学雑誌もつまる所、週刊誌の一つだ。センセーショナルな記事を好み、結果として間違った論文も多く掲載される。彼らにとって我々がオートファジーやその関連遺伝子「ATG」のメカニズムを研究していることは当たり前だ。その機構を一つ一つ解明するよりも、ATGが他の生命現象に関与していたり、ATGの関与しないオートファジーがあるという研究の方が驚きをもって紹介される。研究者にとってインパクトファクターの高い雑誌に論文を掲載することが研究の目的になってしまえばそれはもう科学ではないだろう。

視野の狭い研究者ほど客観指標に依存する。日本の研究者は日々忙しく異分野の論文を読み込む余裕を失っている面もある。だが異分野の研究を評価する能力が低くては、他の研究を追い掛けることはできても、新しい分野を拓いていけるだろうか。研究者は科学全体を見渡す能力を培わないとダメになる。

本来、一人の研究者が年間に10本も論文を書くことはおかしなことだ。3年に1本良い論文を出していれば十分良い研究ができている。また科学者は楽しい職業だと示せる人が増えないといけない。

本庶佑先生

ノーベル医学・生理学賞の授賞式後の、京大での記者会見でのコメントを引用。

インパクトファクターなるものを作った某社がありまして、これは極めて良くない。トムソンロイター社には直接申し上げたこともあります。論文の中身が分からない人が使うんですね。未だにそれを使われているということは、ほとんどの人が論文の価値を分かっていないということを意味している。こういう習慣をやめなければいけない。

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POSTED COMMENT

  1. Lita より:

    上記、大変参考になりました。可能でしたらCell Biology系の学術誌(例えば、Journal of Cellular Physiology, European Journal of Cell biologyなど)を追加頂けるととても嬉しいです。

  2. Hiro より:

    Litaさん
    コメントありがとうございます。少し追加してみました。また追加で要望等ありましたらお気軽にコメントしてください。

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