RNA work

RNA電気泳動法の解説 ~RNA電気泳動の意義や原理を解説します~

この記事では、古典的なアガロースゲルを用いたRNA電気泳動の方法と基本的な知っておいた方がよいポイントを解説していきます。

最近はBioanalyzerを使っている研究室も多いかと思いますが、基礎知識として知っておくべきなのでよければ、この記事で勉強してみてください。

なぜ電気泳動をする必要があるのか

RNA電気泳動を行う理由ですが、多くの場合は精製したRNAが分解されていないかのチェックをするために行います。後述しますが、RNAのなかでも最も存在割合が高いrRNAのバンドを確認することで分解のチェックを行うことができます。

プロトコル

参照:TOYOBO ライフサイエンス実験シリーズ VOL.2

ポイント

MOPS buffer

DNAの電気泳動では主に、TAEやTBEをbufferとして用いますが、RNAの電気泳動では一般的にはMOPS bufferを使います。

RNAを取り扱う際には、RNAの分解を防ぐために、使用する試薬はRNase freeのものかDEPC処理を行ったものを使用します。電気泳動のときも同様の対策を行うのですが、TAEやTBEに含まれるTrisはアミノ基を持っており、DEPCと反応をしてしまうため使用することができません。このためRNAの電気泳動の時には、代わりとしてMOPS bufferを使用します。

変性ゲル

RNAの電気泳動ではホルムアミドやホルムアルデヒドを含んだ変性ゲルを用います。RNAはDNAとは異なり一本鎖なのですが、実際は直線状の構造をとるわけではなく、分子内の結合を介して複雑な二次構造をとります。このため、そのままRNAを電気泳動しても分子量で分離することが難しいのです。そこでホルムアミドやホルムアルデヒドを用いてRNAを編成させることで一本鎖とし、電気泳動を行う必要があります。

エチジウムブロマイド

エチジウムブロマイドは核酸の可視化のためによく使われます。エチジウムブロマイドはDNAの二重らせんやRNAの高次構造にはまり込みます。エチジウムブロマイドは紫外線を当てると蛍光を発し、この蛍光はDNAやRNAと結合することで強くなります。

エチジウムブロマイドはDNAに結合し、強力な変異原性を示すため発がん性物質であると考えられている。従って取り扱いには十分な注意が必要です。

分解の確認方法

最後に泳動後像をどのように見るのかを解説します。

まず、RNAの種類について説明していきます。RNAはribosomal RNA(rRNA)、transfer RNA(tRNA)、messenger RNA(mRNA)の3つに分けられます。それぞれのRNAの存在割合は、おおよそrRNAが80%、tRNAが15%、mRNAが5%となっています。従って、RNAの電気泳動を行ったときに観察されるバンドはrRNAになります(他のものは少なくて見えない)。またrRNAには28S、18S、5Sというサブユニットが存在します。

つまり、RNAの電気泳動像は高分子側から、28S、18S、5Sに由来する3つのバンドがみられることとなります(下図)。

この時RNAが分解されていなければ、28Sと18Sのバンドの輝度は2:1となります。RNAが分解されている場合は、大きいものの方が分解されやすいため、28Sの方が分解が進み28S:18Sの輝度の比が2:1から1:1や1:2となっていきます。さらに分解が進むと、明瞭な28S、18Sのバンドが確認されなくなってきます。

このように、28Sと18Sの比をチェックすることによりRNAが分解されているかを確認することができます。